フィールドセールス完全ガイド——仕事内容・年収・向いている人を解説
FSの仕事内容・IS・CSとの違い・OTE構造・年収500〜1,000万円超のリアルをジンが解説。転職方法まで網羅した完全ガイド。
ジン
俺はフィールドセールスで20年以上やってきた。
商談の場で相手の表情が変わる瞬間、「それ、いきましょう」って言葉を聞く瞬間——今でも好きだ。理屈じゃ説明しきれない、対面ならではの密度がある。
今日はそのフィールドセールスって仕事を丸ごと解説する。転職を考えてる人も、就職先として検討してる人も、これ読めばFSの実態がわかるはず。
フィールドセールスとはどんな仕事か
FSの仕事を一言で言えば「商談を動かして、クロージングまで導く」こと。
インサイドセールスが育てたリードを受け取って、対面やオンラインで商談を進めて、提案・デモ・見積もり・交渉を経て契約を取る。これがフィールドセールスの核。
具体的な業務の流れ:
- リード受け取り・事前調査: ISまたはマーケからリードが来る。商談前に相手の会社・業界・課題仮説を調べる
- 初回商談・ニーズヒアリング: 相手の課題を丁寧に聞き出す。ここで仮説の精度を上げる
- 提案書作成・社内調整: 課題に合った提案書を作る。価格・条件・スコープの社内調整もやる
- デモ・プレゼン: プロダクトや提案内容を実際に見せる・説明する
- クロージング: 決定者の懸念を解消して、「やりましょう」を引き出す
- 契約交渉: 条件・価格・スケジュールをすり合わせる
- ハンドオフ: 契約後、CSやサポートに顧客情報を引き継ぐ
このサイクルを複数案件同時に回すのが、FSの日常だ。
IS・CSとの違い——3職種の役割分担
SaaSでよく使われる「IS・FS・CSトリオ」の役割を整理しよう。
| 職種 | 主な役割 | 求められる特性 |
|---|---|---|
| IS(インサイドセールス) | リード育成・アポ獲得・ハンドオフ | 量を管理する・トークの型を守る・速度 |
| FS(フィールドセールス) | 商談・提案・クロージング | 判断力・複雑な状況への対応・決断を促す力 |
| CS(カスタマーサクセス) | オンボーディング・継続・拡大 | 長期視点・関係構築・問題解決 |
ISは「量と速度」、FSは「深さと判断」、CSは「関係と継続」——求められる能力が根本的に違う。
転職を考えるとき、「自分はどの役割にワクワクするか」を基準にすると選びやすい。
FSの求人市場——東京集中と地方のリアル
フィールドセールスの求人は東京に集中してる。
全国のFS求人は約15,000件(2025年時点の主要求人サイト集計)。そのうち東京集中率は約80%(12,000件)。ISの東京集中率63%(全国19,000件中12,000件)より、さらに高い。
FSは商談のために「移動」が発生する職種。大手企業が集中する東京で需要が高いのは、実はちゃんとした理由がある。
地方でFSを目指すなら、選択肢は3つ:
- リモート型FSを選ぶ: SaaS系ではオンライン商談が標準化してて、フルリモートFSも増えてる
- 東京勤務前提で転職する: 年収・機会の面で東京拠点が有利なケースが多い
- 地方密着型の業種(建設・不動産・医療機器)でFSを選ぶ: 地方にも一定数の求人があって、業界知識が強みになる
年収レンジ——OTE構造の理解がカギ
FSの年収は「OTE(オン・ターゲット・アーニング)」で理解するのが超重要。
OTE構造の基本
OTEとは「目標を100%達成したときの年収総額」のこと。
例:
- OTE 700万円(固定350万円 + 変動350万円)
- 目標100%達成 → 700万円
- 目標130%達成 → 固定350万円 + 変動455万円 = 805万円
- 目標70%達成 → 固定350万円 + 変動245万円 = 595万円
変動給の比率が高いほど、達成すれば高収入。未達なら収入ダウン。
職種・ターゲット層別の年収帯
| ポジション | 年収目安 |
|---|---|
| SMB向けFS(中小企業担当) | 400〜700万円 |
| ミッドマーケットFS | 600〜900万円 |
| エンタープライズFS | 700〜1,000万円超 |
| プレイングマネージャー(FSチーム) | 800〜1,200万円 |
SaaS企業のエンタープライズFS(大企業向け)なら、目標達成で1,000万円超えるケースは珍しくない。扱う案件がデカい分、クロージングの難易度も高い。
FSに向いている人
正直に言う。FSは誰にでも向いてる仕事じゃない。
向いている人の特徴
- 「決断を促す場面」が好きな人: クロージングで「やりましょう」を引き出す瞬間にアドレナリンが出る人
- 複数の利害関係者を動かすことに充実感がある人: エンプラでは決裁者・現場・技術者が全員絡む。この複雑さを楽しめる人
- 移動や変化のある日常を好む人: 外勤・商談・移動が日常。毎日違う展開を楽しめる人
- 状況に応じて柔軟に対応できる人: 事前準備が崩れることは日常茶飯事。即興での判断が苦にならない人
向いていない人の特徴
- 毎日同じリズムで仕事したい人: 商談数・移動先・相手の反応は毎日変わる
- 中間評価がないと不安な人: FSは受注が出るまで成果が見えにくい。プロセス管理は自己責任
- 不確実な結果に耐えられない人: いい提案をしても、相手の予算・タイミング・人事で案件が消えることがある
FSへの転職方法——実際のルート
FSへの転職ルートは大きく3つ。
ルート1: IS→FS
最もよくあるパターン。ISで商談対応やハンドオフの経験を積んでから、「商談全体を自分でやりたい」って動機でFSへ。
アピールポイント: 顧客課題の把握力・トーク設計経験・CRM活用実績
ルート2: 異業種営業→FS
製造業・小売・保険など別業種の営業からFSへの転職。業界知識が武器になる。SaaS系に移る場合は「業界を知ってる人材」として採用されやすい。
アピールポイント: 業界知識・既存の人脈・対面商談の経験
ルート3: コンサル・SE→FS
技術知識を持つ人がFSになると、「技術課題をビジネス言語に翻訳できる」強みが出る。SaaS・ERPなど複雑な製品のFSでは特に重宝される。
アピールポイント: 技術的理解・プレゼン力・ロジカルな提案構成
転職活動で意識すること
- 求人票の年収表記がOTEか固定給か必ず確認: 混同すると入社後にギャップを感じるリスクがある
- クロージング経験を具体エピソードで語る準備: 「いくら達成したか」より「どうやって達成したか」が面接で問われる
- 担当する顧客層を絞って転職先を選ぶ: SMB・ミッドマーケット・エンプラで仕事の性質が全く変わる
FSは「対面の力」を信じる人にとって、やりがいのある仕事だ。AIが普及しても、複雑な判断や感情的な意思決定への対応は、当面人間の強みが残る領域だと俺は思ってる。
あわせて読みたい
- IS・FS・CS・営業企画——4職種を年収・働き方・将来性で徹底比較
- フィールドセールスが燃え尽きる本当の理由——外発的動機から内発的動機へ
- エンタープライズ営業 vs SMB営業——年収・スキル・キャリアの違い
- ISからFSへのキャリアパス——ステップアップか横移動か
参考文献
- 主要求人サイト(doda・リクルートエージェント)集計データ(2025年時点)
- 各社有価証券報告書(2023年9月期)
- リクルートワークス研究所「営業職調査」2019年
- パーソルキャリア「IS求人数調査」2022年(IS東京集中63%・全国19,000件中12,000件)
よくある質問
- Qフィールドセールスとインサイドセールスの違いは何ですか?
- ISはオンライン・電話が中心でリード育成〜アポ獲得を担当。FSは商談・提案・クロージングを対面で進める役割です。
- Qフィールドセールスへの転職で有利なバックグラウンドは?
- IS経験が最もスムーズ。業界知識(SaaS・医療・金融など)がある人も即戦力として採用されやすいです。
- QOTE(オン・ターゲット・アーニング)とは何ですか?
- 目標100%達成時の年収総額。固定給+変動給の合計。求人票の年収がOTEか固定かは必ず確認しましょう。
- QエンタープライズセールスとSMBセールスの年収差はどのくらいですか?
- SMB担当FSは500〜700万円。エンタープライズ担当FSは800万〜1,000万円超。案件単価と難易度が違います。
- Qリモートワークはフィールドセールスでも可能ですか?
- SaaS系ではオンライン商談が標準化していてフルリモートFSもあります。ただしエンプラ大型案件は対面が多いです。
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ジン
41歳フィールドセールス VP
20年以上の現場経験。エンタープライズ大型商談の修羅場をくぐってきたから言える、長期視点のキャリア論。