IT営業の需要が5年で3倍になった背景——未経験からの参入方法
IT営業の求人は2020年比で約3倍に急増。SaaS市場の成長とDX推進が背景。未経験からの参入ステップ・年収レンジ・将来性を解説。
ハル
俺も、どん底から這い上がった。
35歳の今、営業企画マネージャーとしてチームを持ってる。でも5年前は、有形商材のルート営業をしながら「このままじゃまずい」って焦ってた。IT業界に飛び込んだのは30歳のとき。未経験だった。
だから言える。IT営業への転職は、未経験でもできる。 ただし、闇雲に動いても失敗する。正しい入り口と、正しい順番がある。
なぜIT営業の需要が急増してるのか
IT営業の求人数が2020年比で約3倍に増えてる。これは一時的なブームじゃなくて、構造的な変化。
背景1: SaaS市場がずっと伸びてる
日本のSaaS市場は年率10〜15%で成長を続けてる。SaaS企業が増えれば、その製品を売る営業が必要になる。特にThe Model型(IS→FS→CS)の分業体制を敷く企業が増えたことで、営業ポジションの総数が3倍に膨らんだ。
背景2: DX推進で法人の需要が爆発
経済産業省が「2025年の崖」として警鐘を鳴らしたDX推進は、多くの企業でITツール導入を加速させた。「紙とExcelの業務をクラウドに移行したい」って企業側の需要が、IT営業の採用増を後押ししてる。
背景3: 営業人材が慢性的に足りない
IT業界は技術者不足が注目されがちだけど、営業人材も足りてない。特に「技術を理解しつつ顧客の課題を聞ける人材」は希少で、他業種の営業経験者を積極的に採用する流れが定着してる。
IT営業の年収——現実的な数字
dodaの「平均年収ランキング2025」によると、IT営業(ソリューション営業含む)の平均年収は約520万円。
ただし、ポジションと経験年数で大きく変わる。
| ポジション | 年収レンジ | 経験年数の目安 |
|---|---|---|
| インサイドセールス | 350万〜500万円 | 0〜3年 |
| フィールドセールス | 450万〜700万円 | 2〜5年 |
| エンタープライズ営業 | 600万〜1,200万円 | 5年以上 |
| セールスマネージャー | 700万〜1,000万円 | 7年以上 |
未経験からの入社時は350万〜450万円が現実的なライン。でもIT営業の特徴は昇給スピードが速いこと。成果を出せば2〜3年で100万円以上の年収アップも珍しくない。
外資系IT企業ではOTE(On Target Earnings:目標達成時の想定年収)制度が一般的で、基本給とインセンティブの合計で年収が決まる。目標120%達成すれば、OTE以上の収入になる仕組み。
未経験からの参入ルート——現実的な3つのパス
未経験からIT営業に入る方法は限られる。以下の3つが現実的なルート。
パス1: SaaS企業のインサイドセールス(一番おすすめ)
なぜISが最適か。 SaaS企業の約60%がIS職を「営業経験があれば業界不問」で採用してる(筆者の求人市場観測に基づく)。ISは電話やオンラインで見込み客と接触して、商談の機会を作る仕事。
製品知識は入社後の研修で身につけられるから、入社時点でIT知識がなくても大丈夫。「顧客の課題をヒアリングして、適切な情報を伝える」ってスキルは、どの業界の営業経験でも使える。
ISで1〜2年の実績を積めば、FSへの異動や転職が見えてくる。
パス2: SIer(システムインテグレーター)の営業
SIer営業は、企業のシステム開発プロジェクトを提案・受注する仕事。商談サイクルが長く(3〜12ヶ月)、顧客との関係構築が大事だから、法人営業の経験が活きる。
未経験者を営業職として採用して技術研修を提供するSIerもある。大手(NTTデータ、富士通、日立など)は比較的安定した環境で学べるメリットがある。
パス3: IT系人材紹介会社の法人営業
IT人材の採用支援を行う企業で法人営業を担当するパス。直接IT製品を売るわけじゃないけど、IT業界の構造・用語・トレンドを業務を通じて学べる。1〜2年で業界知識を身につけた後、IT企業の営業に転職するキャリアパス。
未経験者が準備すべき3つのこと
IT営業への転職を決めたら、以下の準備を始めてほしい。
- IT用語の基礎を押さえる
SaaS、CRM、API、クラウド、オンプレミス——最低限の用語を理解しておく。ITパスポートの教材が網羅的で効率がいい。資格を取る必要はないけど、教材を通読するだけで面接時の受け答えが変わる。
- SaaS製品を実際に触る
HubSpot、Salesforce、Slackなど、無料プランがあるSaaS製品を実際に使ってみる。「ユーザーとして使った経験」があるだけで、製品の価値を語る言葉にリアリティが生まれる。
- 自分の営業実績を数字で整理する
「前年比120%達成」「新規開拓で月間10件のアポ獲得」など、数字で語れる実績を整理しておく。IT業界はデータドリブンな文化が強いから、定量的な実績の提示が重視される。
IT営業のキャリアパス——5年後・10年後の姿
IT営業のキャリアパスは選択肢が多い。5年後・10年後の典型的なルートを示す。
ルート1: IS→FS→エンタープライズ営業(年収1,000万円超を目指す)
最もストレートな昇進ルート。大型案件を扱うエンタープライズ営業は年収1,000万円超のポジションも珍しくない。
ルート2: IS→セールスマネージャー→営業部長
マネジメント志向の人向け。IS組織のチームリーダーから始まって、営業部門全体の統括へ進むルート。
ルート3: IS/FS→営業企画・RevOps
データと仕組みで営業を支える側に回るルート。営業現場の経験があるからこそ、実効性のある仕組みを設計できる。俺自身がこのルートを辿った。
ルート4: FS→カスタマーサクセス→プロダクトマネージャー
顧客の声を製品開発に反映する立場へ進むルート。営業出身のPdMは、顧客視点を持つ稀有な存在として評価される。
IT営業の将来性——AI時代でも生き残れるか
結論から言うと、IT営業はAI時代でむしろ需要が増す可能性が高い。
AIツールが増えるほど、「自社に本当に必要なツールは何か」を判断できない企業が増える。その企業の課題を聞いて、最適なソリューションを提案する人間——つまりIT営業の役割は、AI時代でより重要になる。
ただし、「製品説明をするだけの営業」はAIに代替される。顧客の業務課題を深く理解して、複数のソリューションを組み合わせて提案できる「コンサルティング型営業」が生き残る。
もし今、「IT業界に行きたいけど、自分にできるのか」って迷ってるなら、まず自分のキャリアの現在地を把握してみてほしい。当サイトのストッパー診断で、あなたが次に進むべき方向が見えてくるはず。
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よくある質問
- QIT営業に転職するのに資格は必要?
- 必須の資格はなし。ITパスポートやSalesforce認定資格があればプラスだけど、営業経験があればIT知識は入社後でOK。
- QIT営業の未経験採用は何歳まで?
- 20代後半〜30代前半が一番転職しやすい。35歳以上でも営業実績が豊富なら可能。
- QIT営業とSaaS営業は同じ?
- SaaS営業はIT営業の一部。IT営業にはSIer営業やハードウェア営業もある。今求人が急増してるのは主にSaaS営業。
- QIT営業は在宅勤務できる?
- ISは特にリモート親和性が高く、フルリモートのポジションも多い。FSはハイブリッド勤務が主流。
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ハル
35歳営業企画マネージャー
テレアポ300件/日の時代から、AI活用で月次戦略を回す立場へ。どん底を知っているから、リアルな話しかしない。